17日の日曜日、今年のセンター試験が終わった。翌日の月曜日は都内も大雪となったが、センター試験の2日間はなんとか天気は持ちこたえ、その点では無事試験は終了したようだ。もちろん試験の結果の方は受験生によって悲喜こもごもだろう。ま、喜ぶ者はかなり少ないだろうが、中には笑いを噛み殺して嬉しがっている受験生もいるだろう。多くは悄然としているのではないかな。移動中に電車に居合わせた受験生が『心が折れた』と友人に話しかけているのを聞いた。何度となくこの言葉は聞こえて来た。

 両日とも、移動中に電車で受験生と居合わせる機会がかなりあった。いつもと同じような光景ではあるが、どうしたものか、これから本番に臨もうとして緊張の面持ちになっている受験生を見ていると、なんとういうのか愛おしいような気持ちになる。別に彼らが、か弱く見えて・・なんてのとは違う。これから闘いへと勇気を振り絞っているかのような、その真摯なひたむきさに、どこか美しさが感じられるからなのだろう。

 今年は、たまたま受験会場となっているとある大学の付近に所用もあって、校門から試験会場に入ってゆく受験生たちをちらちら見かけた。みんな思いを持って歩いているのがわかる。そして見ていると段々姿が小さくなって行く。『やれよ』というくらいしか伝える言葉はない。小さくなって行く受験生たちを見つめていると、これはひとつ、旅なのかなと思えたりする。一人また一人、旅立って行くように見えた。
“旅立ちの日に”という合唱曲がある。日本中の卒業式でよく歌われているあの名曲だ。センター試験の会場に入ってゆく受験生を見ていて、なんとなくこの曲が頭の中を流れてきた。雰囲気から合ってる曲を頭が拾って来たのだろう。
    ♪
     白い光りの中に山なみは萌えて
     遥かな空の果てまでも君は飛び立つ
     限りなく青い空に心ふるわせ
     自由を駆ける鳥よふり返ることもせず
     勇気を翼にこめて希望の風にのり
     このひろい大空に夢をたくして
                           ♪
 
 もちろん、試験会場の大学には山なみはないが、確かに鳥たちは飛んで行ったと思う。(了) 
                                                    文責;島田真樹