フランスの地方選挙の結果を報道で読んで記事に眼が釘付けになった。遠い国のしかも地方の選挙ではあるが、そうか、これがフランス国民の民意なのか、と強く印象に残ったわけだった。フランスの地方選挙は投票が2回ある。1回目は言わば予選で、2回目が決勝本選といった仕組みであるようだ。1回目で10%未満の得票しかない政党はそこで敗退が確定し、2回目の本選には精鋭だけが進出することになっている。先週の6日、その第1回目の投票があって、この時、極右と言われる政党が大々的な勝利宣言を行っていた。11月13日の同時多発テロの影響により、移民の徹底排除を唱える極右に支持がきわめて厚く集ったのだという解説がなされていた。

 フランスはこれで戦争態勢にまっしぐらになってしまうのだろうか?先週のこの極右勝利の報道を聞いて、本当のところどうなのだろう?とは思っていた。その第1回目に続く13日の第2回目投票だったわけである。第1回目より非常に投票率が上がったそうだ。つまり、先週の結果に『これは一大事!』と感じたフランス人がたくさん出たということなのだろう。開票の結果、件の極右政党はすべての地域圏で勝利を逸っすることとなったようである。全敗だそうだ。

 極右の一党独裁体制となると、まずドイツのヒットラーがすぐに思い浮かぶ。ヒットラーのナチスによって蹂躙された国の一つがフランスだった。また、一方でヒットラーは理想的憲法と言われたワイマール憲法下、選挙を通じて正統に政権を奪取したのであった。フランス国民はやはり歴史に学んでいると感じざるを得ない。それゆえに、投票を通じて“NO”を示したのが今回の2回目の投票結果なのだろう。

 やはりフランスは、あのジャーナリストのレリスさんが住む国なのだと思ったわけだ。フェイスブックに彼が書き記した『・・世界中の軍隊よりも強い・・』というのは本当だった。武力での解決を煽る集団を、今回フランス国民は確かに寄せ付けなかったわけだから。このことは真に記憶に留めておきたいと思う。翻ってわが国の現在の状況はどうなのだろう?世界が環視する中で、フランス国民は極右の一党独裁を水際で阻止したわけなのだが・・。ただ国がどうのと言う前に、日本国民の一人である私に“世界の軍隊よりも強い”と言える確信があるのか?師走、寒風吹きすさぶの観あり。(了) 文責;島田真樹