2012年08月

私学適性検査 対策講習の話

8月19日の日曜日、丁度私学適性検査を1週間後に控える日曜日に過去問の点検を中心に試験対策の講習を小平オフィスで実施しました。今回は、当社のホームページに開催の予告案内を出したのと、この夏訪問させて頂いた50大学ほどのキャリアセンター様、就職課様でポスターの掲示をお願いし、講習実施の広報をして頂きました。お盆休みを挟む10日前にご案内したものでしたので、はたして私どもの情報をどれだけの私学適性受検予定の方にご覧頂けるか、少々不安に思っておりました。

しかし少人数クラスではありますが、1クラスを設定する応募があり、また、講習終了後の資料請求の希望が入るなど、予想していたよりも反応に手応えがありました。本当にうれしかったものです。講習当日は、天気もよく、揚々たる気持ちで受講生の方々を待ちました。こういったときの気持ちは、なんとも言えない少しうきうきしたような思いがこみ上げてきます。玄関ドアの前に何度か行き、もう来るか、もう来るかと、首を長くするとはこのことかと思いながらドアの外を見ておりました。

一人、また一人。順々に迎えます。予定通りのメンバーが揃いました。皆さんこのときが、お互い初顔合わせです。若干のそわそわ感が残る中、講習をスタートしました。さすがに1週間前ともなり皆さん気が入っています。こちらも気を入れ直して『教職教養分野』の過去問解説を進めました。実は東京都私立中高協会さんが発行されるか過去問題集には模範解答がついていません。したがって受験希望の方が実際に解いた後に正誤の確認がやりにくい面があります。まず5年分の過去問の網羅的な解説から入ることにしておりました。

それと同時に自分が汲み取った範囲で出題の傾向分析をお伝えし、重複年次にまたがる出題箇所など確認してもらうようにしました。うなずきながら聞いてくれるので、こちらも張り合いがさらに出てきます。終わってみれば予定を30分ほど延ばさせてもらい、無事対策を終了させてもらうことができました。若干の自習用対策問題などを各自に渡し、それから『新聞ダイジェスト』の5~7月版からチェックしたい時事関連記事をマークして差し上げました。今年は世界中が“政治の季節”を迎える特別な年ですから、なにかありそうです、などと申し上げておきました。

終わったあと不思議だったのは、2時間半の講義を行っただけなのに、また、本日そのとき会ったばかりなのに、なんだか受講生のみんなが“自分の生徒だ”という気持ちが私自身に少しできているように思いました。この感覚は何でしょうかね?帰りの際はもう1度あらためて激励し直して見送りました。授業の後は例によって元気になります。生徒の皆さんではなく、いえ、もちろん生徒の皆さんも元気になってもらいたいわけですが、とりあえず講師の自分がはっきり元気になっています。気をもらったわけです。

さて、昨日26日は東京都の私学適性検査本番でした。受講生の皆さんは『新聞ダイジェスト』を自分で確認してくれただろうか?そして、例の中教審の答申は出題されたかな?なにより対策が役立ったろうか?そんな思いが湧いてきます。結果が出たら受講生のみなさんにぜひ教えて頂こうと思います。(了)

黙祷のサイレンの話

8月15日。終戦記念日の正午には甲子園の高校野球選手権大会の試合が一時中断され、戦没者への黙祷をささげることが恒例となっています。子供の頃からずっとそうであり、今もそうであり、終戦記念日は、自分の中ではこの黙祷のサイレンとともにやってくるような気さえしています。1915年大正4年から今年で数えること94回を迎えた選手権大会は、本来は98回大会となっていなければ暦年と計算が合いません。そうです、やはり大戦の影響で1941年27回大会が途中で中止になって以来、終戦の年1945年昭和20年までは甲子園大会はありませんでした。終戦翌年の昭和21年第28回大会が復活し、再び、甲子園大会はその歴史を刻むことになったのです。その間の4回は、歴史から削られているのですね。

この第28回大会と翌29回大会までは、まだ正式名称を全国中等学校優勝野球大会と言っていました。この2回までは旧制の中等学校制だったからです。GHQによる占領政策の学制改革が行われ、それまでの旧制中等学校は現在の学校教育法に基づく新制高等学校となったため、次の第30回大会からは、大会名が今に続く全国高等学校野球選手権大会となりました。以来いわゆる『夏の大会』として甲子園大会は毎年やってきます。日本の夏の風物詩ともなっています。熱闘とはいえ、あらためて甲子園で闘いは平和の証であることがうかがえます。

さて甲子園大会は戦前からおよそ1世紀の歴史があって、間に戦争による中断はあるものの、その名を改めつつも脈々と続いてきています。しかし、実は大きく変わっていることがあります。それは、戦前と戦後のこの年齢の子供達の進学率の顕著な違いです。1935年昭和10年のデータでは旧制中等学校への進学率は18.5%であったというデータがあります。それに対して1950年昭和25年にはそれが42.5%になっています。あとは年々進学率が上がってゆき、昭和40年に70%に、昭和49年にはついに90%を越え、そして現在ではほぼ98%が高校に進学しています。こうしてみると戦前の甲子園は、どちらかというとエリートのための甲子園だったと言えるかもしれませんね。

その気になればほとんどすべての少年が甲子園を目指すことができる。もちろん実際に高校球児になる者は限られた数ではあります。しかし戦前はどんなに多くても2割しか甲子園を目指せなかったわけです。それがほぼ100%に近いところに至っている。この違いはとてつもなく大きいことのように思えます。可能性がどれだけ膨らんだかということです。甲子園は戦後数十年でほとんどすべての男子生徒にその門を開いたということです。かくも開かれた門を二度と閉じることのないようにしよう。終戦記念日の正午の黙祷のサイレンは、そう言い聞かせているようにも思います。日本中にそう呼びかけているようでもあります。このお盆の間も領土問題はじめ危険な出来事が続いています。実際にはこの世代では解決できない問題があるのかもしれません。

近代教育学の父といわれるチェコのコメニウスはあの悲惨な30年戦争の頃生きた人です。ドイツの人口が半分になったといわれ、また、コメニウスの住んだボヘミアは人口が4分の1になるまで殺戮が続いたといいます。自身も妻と子供失っています。その恐ろしい経験の中から「人類の破滅を救うには青少年を正しく教育するより有効な道は他にない」との確信に彼は至ります。コメニウスが唱えた「すべての人にすべての事柄を教授する」というその理念は、教育こそが陰惨な殺戮に終止符を打つことができるというある種辛い洞察によるのでしょう。来年も、再来年も教育の道にある私たちは、ずっと甲子園の終戦記念日の正午の黙祷のサイレンを聞き続けなければならないと思います。(了)

オリンピックの話

7月27日に開会し、2週間に渡って盛り上がったロンドンオリンピックが閉会しました。終わってみるとなにかあっけない感じがしますが、次は4年後ですから、それを待つのは長いですね。

今回ロンドン大会は確か17日間でした。一方、ロンドンを待ち侘びた4年間は365日×4年で1460日間となります。17日間とはどれだけだろうと電卓をたたいてみますと、1460日間に対して大会期間の17日間はわずかに1.16%にしかなりません。ほぼ1%!つまり99%は待っている時間なわけですね。1日24時間でどのくらいになるか、オリンピックで選手たちが熱戦を繰り広げる時間はわずかに1日の17分弱と換算できます。いわゆる“クウォータ”です。幻のような時間というと言い過ぎになるでしょうか?
 
卓球女子団体チームは見事に銀メダルに輝きました。愛ちゃんのニックネームで親しまれている福原選手は、試合後のインタビューで「小さいころからオリンピックでメダルを取るのが夢で、夢は本当に叶うんだと思いました。」と感激の涙を浮かべながら話していました。彼女にとって20年来の夢とのこと。20年の夢に比べて、ロンドンでの実際の女子団体戦競技は正味3日間。もう1度電卓をたたいてみますと、20年間は7300日で、そして、そのうちの女子団体戦3日間は0.04%にしかなりません。1日に置き換えると、それは約1分間です。僅かに1分なんですね!英語でWait a minute.と言えば、普通は「ちょっと待ってください」となりますが、福原選手の場合、文字通り「(オリンピックゲームの)まさにその“1分間”をずっと待ってきた」というわけです。
 
花が咲くというのは、そういうことかもしれません。1年のうちの限られた期間に植物は花を咲かせます。花という字は「草が化ける」と書きますが、確かに花をつけると同じ植物とは思えない印象を見る者に与えます。同時に、植物はその花を咲かせるために静かに化ける準備をしていたのだな、とも思わせたりします。しかし、植物は花を咲かせるために生を繋いでいるのか?といえば、そんなわけはないだろうと答えが返ってきそうです。花が咲くのは最終ゴールではないし、その先もある。花が散って実が成り、そして新しい種が残り、またそれが芽を出して、と循環していくのですから。

成果という字は“成花”とはしなかったようです。どうやら、果実、実の方を昔の人はゴールを表す言葉として採用したわけですね。しかし、成果としては実より種じゃないか、という声も聞こえてくる。循環を繰り返しているのだから、全部同じに大事だと言うしかないでしょうかね。ただ、オリンピックを喩えるなら、さすがにオリンピックは4年に1度咲く花という方がしっくりする。長かった草の期間のその後、わずかに2週間咲く花です。活躍した選手たちは”咲き誇る”という表現がぴったりです。ここでしか咲けないという意味で“華”と書かなくてはならないですね。でも、この花々がどんな実を結ぶかは、本当のところまだわからないのかもしれません。それが次にどんな種を残すかはさらにその先です。花々に見とれつつも、だったら、けして草の期間も花には劣らないと思えます。草の期間の方に詰まっている物が多いような気がしますね。生徒たちとの日々のことです。(了)

私学適性検査の話

私学の教員採用選考は、いよいよこれから山場を迎えていきます。なんと言いましても今月26日には一般財団法人東京都私立中学高等学校協会の私学教員適性検査があります。この検査を一つの目標にして準備を進めている私学教員希望者は少なくないでしょう。専門教科の科目試験が80分間、そして教職教養が50分間の試験になっています。専門教科については、さすがに専門ですから誰もそれなりに積みあがっているでしょうから、各自対策法がより定まりやすいのではないでしょうか。
 
もちろん過去問は当然のごとく見ておかなければなりません。協会で過去問を5年分販売されます。必須だと思います。歴年の問題を見渡してみて、出題の形式はそれほど大きく変わってはいないようです。少なくとも出題形式を把握して、過去問の難易度にあたりをつけて、それを踏まえて教材を選び、訓錬を積んでいくのがやはり最もオーソドックスな対策法となりそうですね。かなり歯ごたえのある問題が並んでいます。さすがに専門とはいえ、これらを易しいと思える人の方が少ないのではないでしょうか。得点差はおそらく僅差になるでしょう。だからこそ、好評価を獲得するためには傾向をよく汲み取って対策に入ることが大事になると思います。
 
さて、専門教科の科目試験と並んで行われる教職教養について、どのように対策をすればよいか、これが絞れそうで絞りきれない受検者の方の悩みの種ではないでしょうか。協会の要項にある教職教養の出題範囲には、教育原理、教育心理学、教科教育法、教育史、教育法規、生徒指導、一般教養、時事問題 等となっております。最後に“・・等”とあるのは受検予定の方には脅威と映るかもしれないですね。実際に教職教養の過去問を見たときに、おそらく受検予定の方には手ごわく映るのではないでしょうか。もっとも、中には余裕でできる方もいるのでしょうけれども、それほど多いとは思えないですね。
 
一方、公立の東京都教員採用試験の同じ教職教養と問題を比べてみますと、公立では公務員としての服務の関する規程がらみの出題にボリュームがあるのがわかります。そこは私学適性検査とかなり異なる部分です。そのかわりといってはなんですが、私学適性の教職教養は、ある種柔軟に、創意に溢れる問題が散見します。対策面で言えばどちらがよりスムーズなのか?どちらもどちらではありますが、ある意味で私学適性の方において的が絞りにくいのは事実だと感じます。
 
エデュケーショナルバンクでは、この教職教養に絞っての私学適性検査対策を実施することにしております。8月19日(日)、つまり本番1週間前の日曜日になりますが、無料の対策講習をご案内しています。詳細はホームページの新着情報に掲示しました。関心のある方はそちらをご覧ください。但し、この講習は自信満々の方向けではありません。むしろ、対策をやろうやろうと思っていたけれど、様々浮世の用事が重なって、ついつい後回しにしてしまい、あまり手をつけてきていない。そのような方にうってつけの講習になればと考えています。藁をもつかむ思いというときの、その藁にこの講習がなれればしめたものです。(了)
カテゴリ別アーカイブ
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ